世界的なソーシャル・メディアの普及・進化に伴い、デジタル時代のシティズンシップ教育、つまり「デジタル・シティズンシップ教育」という21世紀の新しい教育が、アイアーンやユネスコをはじめとする国際機関や欧米を中心に世界各国で広まっています。2020年1月世界経済フォーラムで、第4次産業革命に対応した未来の教育モデルの一つとしてアイアーンが提示されました。その背景にあるのは、この「デジタル・シティズンシップ」の概念が実践にとりいれられているからです。
日本ではコロナ禍、緊急事態宣言と全面休校を経験し、GIGAスクール構想の前倒しによる2020年度内の児童生徒1人1台端末とリモート学習環境整備が決まり、学校教育の情報化が一気に進むとの期待が高まっています。この文部科学省が推進するGIGAスクール構想を実現する上で、デジタル時代を生きる子どもたちが、そのリスクを理解し、安心・安全に利用しながら可能性を広げられるように「デジタル・シティズンシップ教育」の推進はとても重要です。
教育の情報化による「コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び」を目標とする「デジタル・シティズンシップ教育」は、現在の「情報モラル教育」が個々の安全な利用を学ぶものであるのに対し、ICT活用とメディア・リテラシー教育の導入を前提とし、「世界標準」の協働型学習によって対話をしながらデジタル技術・思考を身につけ、グローバルな視点から新たな情報社会を生きる市民のあり方を目指すものです。
JEARNと日本教育工学会SIG-08 & AMILECとの共催による本ワークショップでは、オンラインで「デジタル・シティズンシップ」の概念についてのとらえ方や諸外国での実践の状況などを学ぶことができます。質疑応答の時間をたっぷりととりますので、皆様の幅広いご参加をお待ちしています。
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