2020年より学習指導要領前文において、「多様な人々と協働しながら持続可能な社会の作り手の育成」を掲げ、コンピューター生徒一人一台のG I G Aスクール時代となり、日本の各教室から、世界の多様な他者と協働する国際協働学習ができる時代となったと実感しています。
2023年6月、ジェイアーンは、設立20年を機に、国内外の他団体と連携し、国際協働学習を軸とした(デジタル・シティズンシップ教育、ESD教育や外国語教育などを含む)包括的な開かれた研究・提案・発信の場として、「国際協働学習シンポジウム」をスタートさせました。
シンポジウムは3部構成で、1部は基調講演、2部は実践報告、3部ではパネルディスカッションを行いました。20周年記念そしてコロナ禍で4年ぶりのリアル開催ということで、会場は熱気にあふれ、さまざまな人々が出会うエネルギーを感じました。この「国際協働学習シンポジウム」が、今後、日本の教育に貢献できる有意義なものになりますことを心より願っています。
JICA地球ひろばの会場に、アイアーンの仲間が、20周年のお祝いビデオメッセージを寄せてくれました。海外からの声援を背景に、理事長から、「G I G Aスクール時代の国際協働学習」をテーマに、さまざまな角度から国際協働学習の持つ可能性と課題について、みなさまと考えていければと開催の意義説明と挨拶がありました。
1.デジタル環境が変える教育
「教員主導型」から、「学習者中心型」への転換が起こる。昔は、情報は限られた場所でしか得られなかった。その場所が学校であり、メディアは主に書籍であった。そのため、「教員主導」で、標準化された情報を一斉にインプットすることが目的であった。しかし、それとは対照的に、21世紀の情報社会では、誰もが情報に自由にアクセスできるため、「学習者中心」のI C Tの文具的活用による「個別最適な学び」に変わらなければならない。I C Tの文具的活用とは、インプットのために教具としてI C Tを使うのではなく、文具として、デジタル創造、制作、共有といったアウトプットや、授業外で、連絡、やりとりのためにI C Tを使うということである。生徒は個別I Dを持ち、クラウドで協働する。そしてメデイアとして、オーディエンスに向けたメッセージ発信する。しかし、その転換が日本ではまだできていない。