1.事業の目的 |
子どもたちの国際交流を妨げるハードルの数々を、国際交流推進のための支援システム・組織の総合的な構築によって乗り越え、日本各地域の子供たちが世界の仲間たちと学ぶ環境を作る。 1) 背景:「国際交流を妨げるハードルの数々」 世界規模では学校のIT化が教育の国際化を促進している。海外に目を向けるとインターネットの普及につれ、世界の各地で教師の新しいネットワークが急激な勢いで生まれ、国際間プロジェクト学習が大きな潮流となって21世紀の教育を形作ろうとしている。
しかし、日本の教師や子どもたちにとって、このようなグローバルなプロジェクトとの接点が異常に少なく、教師自身も国際間プロジェクトの認識が低く、当たり障りのない交流活動を行っているのが現状である。それは学校教育の場に国際交流を妨げる数々のハードルがあり、国際理解が柱の一つである「総合的な学習の時間」の全面的な導入を前にして今なお、日本の子どもたちと世界のこどもたちとが共に学ぶ機会や、国際的な感覚を育てる環境を学校につくれないでいるからである。これは次代を担う人材育成に関わることでもある。 そのハードル(問題点)を以下に示す。
2) 必要性:「ハードルを越えるための国際交流支援システム・組織の総合的な構築」 国内の国際理解・交流は一部の先生の個人的かつ多大な努力に依存して実現されていているが、普通の教師が上記のハードルを越えるため、国際理解・交流の実施をサポートする大規模な支援体制や、専門のコーディネータはほとんど無い。 3) 成果目標:「本プロジェクトで、学校はハードルを超える」 本プロジェクトでは、今まで本団体が小規模に行ってきた直接的な支援や情報提供を大幅に拡大し、センター組織として国際交流情報の集約・精選・配布、既存ノウハウや事例を収集・提供するポータルサイトの設置、ヘルプデスクや各種支援システム、サポート体制の整備、講習会・連絡会を通じて地域ネットワークの核となる地域推進メンバーの育成、交流実践校の支援を行うプロジェクトコーディネーターの育成、センター組織と各地域ネットワークを結びつけるシステム構築や連携の強化を行う。最終的に本プロジェクトを通じて、全国のより多くの学校で、より高いレベルの国際理解・交流が早急にトラブルなく実施できるように、学校が上記ハードルを超えることを成果目標とする。また国内外の教師・子供たち・ボランテイア・スタッフの間に「人をつなぐ人」「人を育てる人」の働きがあって、構築されるヒューマンネットワークが成果としてあるのは勿論である。 尚、海外の同様な支援団体は基本的に寄付あるいは会費により運営されている。今年度のプロジェクトで十分な支援基盤を構築し教育現場にその有用性を示した後、来年度以降は寄付・会費等により継続的な支援活動を続けることを検討している。 |