2.1 事業の全体像
国際理解・交流を総合的に支援するための具体的な活動内容を表1に示す。
表1. 活動内容とハードルの解決
ハードル
活動
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@相手校など海外必要情報
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A参加できるプロジェクト体験
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B参考にしたい実践例
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C語学力
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D交流を支える技術
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E問題発生時の対応
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F世界の教師仲間との接触
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情報ハブステーション
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地域の講習会・連絡会
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ボランティア登録
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交流パッケージの整備
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過去事例の収集と公表
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事例収集
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翻訳支援活動
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翻訳チャット・掲示板
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ヘルプデスクの設置
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国際会議出席
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△
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@国際交流情報ハブステーションと情報提供システム
今まで築いてきた海外との人的・組織的ネットワーク(I*EARN,World Teachers, Teleclass, DUC,European
Schoolnetなど)を使って、海外の交流組織の情報や国際プロジェクト、教師からの個別の交流希望を精選し翻訳し、国内の教師へ配布する。また、日本国内の個別の交流希望や日本発のプロジェクトを翻訳し海外に発信する。他の情報提供システムと異なり、情報の出しっぱなしをしない。マッチングや交流のフォロー、Dに述べる事例収集へ導き完了とする。これらの作業は複数のボランティアが実施するため、その共同作業とWebでの公開のためのシステムを構築する。
A各地域での講習会の実施、地域別連絡会の実施
具体的な国際交流の実践・方法について、現場の教師の理解を深めるため、今年度は4地域以上で講習会を実施する(関西と関東では昨年度実施済み)。また、この講習会を各地域の交流のきっかけとして、地域ネットワークの組織化を行う。本プロジェクトは現時点で約20校の参加が確定している。地域の交流を深め、情報交換・相互の支援・新たな教師への講習等の目的で、それぞれの地域で連絡会を実施する。また、参加する教師又は下記のボランティアの中から将来的な地域推進メンバー、交流実践校の支援を行うプロジェクトコーディネータを育成する。
Bボランティア登録と主体的な仕事
各地域の講習会を機に、地域でのボランテイア(個人・団体)登録を行うシステムを開発する。講習会では情報・ノウハウ・技術だけでなく、国際交流の意義や自分を生かせるボランテイア活動について話し合い、関心を高め、将来的には全国に1000名の地域ボランテイアを得る。また地域に既に育っている国際支援団体との協働や、ボランテイア団体に対するIT技術の提供(Web・ML・BBS)によって、いままで国内に点在している人とネットワークを有機的に結合する。今回のプロジェクトは、将来的にもボランティアの自主的な支援を基盤に活動していくため、各ボランティアが適切に活動できるようにセンター組織で作業の割り当て、活動の方法などの支援をする。また、大学での「情報」の授業で、国際交流やインターネット交流として、一部このボランティア活動を取り込むことを試みる。
C交流パッケージの整備(国際交流版「できるシリーズ」の整備)
教師がすぐに国際交流を始められるように、既存の世界規模で実施されている国際交流プロジェクトをベースに、導入・開始・交流までの一連の学習活動をパッケージ化して、参加できるようにする(目標:I*EARN,
Odyssey, Teleclass,Teddy Bear Projectの4パッケージ)。すでにテディベア プロジェクトのパッケージ化を進めている。また、昨年度実施したオデッセイプロジェクトは、海外の商用ベースで開発されたもので、言語の学習、プロジェクト学習、海外交流など総合的に優れて、すぐに導入できるパッケージであるため、本プロジェクトでも継続して利用していく。
D過去事例の収集と公表、事例収集システム
すでに、多くのサポート経験より得られた過去の事例があり、それらを整理しWeb上で公開していく。更に上記ハブステーションを仲介に生まれた国際交流は、その事例を主に地域ネットワークの教師自身が登録して情報を増やせるように事例収集システムを構築する。特に、トラブル回避や困難事例など後続の教師に参考になる内容等はFAQとして登録・検索できるシステムを構築する。
E翻訳支援活動
現在は海外プロジェクト情報の翻訳を中心に活動しているが、これを相手校探しや授業での交流時にも活動を広げる。また、2000年CEC成果物である英借文や最新翻訳ソフト情報とその利用のノウハウを共有する。伊丹市をモデルに、地域で翻訳支援ボランテイアのグループ化を試みる。
F自動翻訳機能付チャット・掲示板の提供
国際交流時に使用する掲示板を希望校に提供する。また、日本語−英語の自動翻訳機能を持つチャットシステム・掲示板システムを開発し、語学力の不足をおぎなう。
Gヘルプデスクの設置
メールやWebによる問い合わせに対して、センター組織に常時ヘルプデスクを設置し、国内国外の様々なトラブルや交流方法の問い合わせに対応し、教師のプレッシャーや不安感を解消する。
また、国際交流のポータルWebサイトを構築し、関連団体等のリンク情報を検索出きるシステムを開発する。
H国際会議出席
本年度夏、ケープタウンで開催されるI*EARN国際会議(昨年度は北京開催、63カ国460名参加)へ教師の出席を促すとともに、日本発の国際プロジェクトや本プロジェクトを紹介して海外の参加や利用を呼びかける。世界の教師と1週間を共に生活して人的ネットワークを構築する機会を得る。また2003年日本開催へ向かって、キャンペーンを開始する。
2.2 事業の規模
本プロジェクトは、国際交流のための支援組織の構築と支援活動が中心であるが、プロジェクト内の数値的目標を表2に示す。
表2.プロジェクトの数値目標
目標項目
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目標値
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備考
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地方講習会
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4地域以上
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国際交流パッケージ
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4バッケージ以上開発
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オデッセイ含む
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プロジェクト参加校
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30校以上
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国際交流授業
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25授業以上
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パッケージ利用含む
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過去事例収集
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25事例以上
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海外からの交流紹介
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30個以上
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学校単位とプロジェクトベース
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国内の交流紹介
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15個以上
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学校単位とプロジェクトベース
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FAQ事例
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50事例
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トラブル対策含む
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翻訳サポート
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4校以上
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