第51回 テレクラス国際会議
平塚ーハワイろう学校
テレビ会議
[開催要項]
テレビ電話・テレビ会議で進める国際理解教育
「テレクラス・ザ・ワールド 1998」
第51回 テレクラス国際会議
行事名 :第51回 テレクラス会議 ろう学校編
日時:
1998年 12月17日(木) 10:30 - 12:00(Japan)
1998年 12月16日(水)15:30- 17:00 (Hawaii)
場所:
県立平塚ろう学校 会議室(神奈川)
Kuwili Technology Center (ハワイ)
テーマ:「世界を感じる瞬間」
"Touch The World, Touch The Future"
サブテーマ:「国際手話交流」
主催 : テレクラス.インタ−ナショナル.ジャパン
財団法人マルチメデイア振興センター
共催 : NTT平塚 法人営業部
後援 : 外務省(予定)
文部省
郵政省
国際電信電話株式会社
協賛: BBCC(新世代通信網実験協議会)教育システム MINE
(リモート&ハイタッチな教育システムの研究)
通信手段:
国際ISDN回線サービス・国内INS64サービスを利用したテレビ会議
日本 端末機:Phoenix Mini
担当:NTT 松本さん、NTT 田近 さん
tel:0463-35-4261、fax:0463-35-4263
ハワイ: Kuwili Technology Center:
Pictur tel Concorde 4500
6 lines available - need not use all.
Contact:Debra Fowler
連絡用電話番号:(会議室内)
ハワイ:the Kuwili Technology Center numbers are:
(808)521-7422 office and (808)521−1110fax 担当者: Debra Fowler
テスト日時:日本:12月16日10:00―11:00am
ハワイ:12月15日 3:00― 4:00pm
参加校 :
神奈川 :平塚ろう学校 神奈川県平塚市大原2ー1
tel: 81-463-32-0129、fax: 81-463-32-1646
ハワイ :Gallaudet University Regional Center at Kapiolani
Community College
4303 Diamond Head Road Honolulu,HI 96816-4496
tel:1-808-734-9210、fax:1-808-734-9238
ハワイ州教育省関連校:
Hawaii Center for the Deaf and the Blind
tel:1-808-733-4999, fax:1-808-733-4824
担当教師・メールID・その他(連絡方法):
平塚ろう学校: 千葉 先生
ハワイ:Ms. Nancy Bridenbaugh
使用言語:手話・英語・日本語
開催趣旨:今回の日本(平塚ろう学校)とハワイ(ハワイ・オワフ島聾学校との手話交流は、世界でも例のないテレビ電話を介しての交流で、 生徒一人一人が広い世界の人々と関わりを持ち、文化と生活の違いを手話による表現で、コミュニケーションの可能性を自ら体験する ことを目的とする
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[プログラム]
タイムスケジュール・シナリオ:
H=平塚ろう学校、 G=Gallaudet Regional Center、
J=日本語 、 E=英語、JSL=日本手話、 ASL=アメリカ手話
T=通訳
00:00 オープニング
H 大塩校長先生 挨拶 J(―JSL)― T:E ― ASL
(原稿有り)
G Nancy Bridenbaugh,
Director of Galaludet Regional Center
挨拶 E(―ASL)― T:J ― JSL
00:05 プログラム 1:自己紹介+名札ローマ字
H 名前JSL―JーT:E−ASL 8名
生徒会役員が出演し、役職・学年・氏名を個々が発表
G 名前ASL―T:J−JSL
Kapiolani Community College から 2名
Hwaii Center for the Deafnd the Blind から 3名
00:15 プログラム 2: 名学校紹介
H 写真1―4:日本地図・平塚市・七夕まつり・学校全景
説明JSL―J―T:E―ASL
G 説明ASL―E―T:J―JSL
00:20 プログラム 3:活動紹介
H 6クラブ紹介 写真・作品紹介 説明JSL-J-T:E-ASL
部代表者が部名・人数・活動内容等を説明
野球部、バレー部、卓球部、陸上部、美術部、手芸部
G 活動紹介 説明ASL-E-T:J-JSL
00:35 プログラム 4:言葉当てゲーム1(単語 5題程度)
互いに、手話で単語を表現し当て合う。
解答の選択肢1、2、3を用意し、絵で正解を表示する。
H 【問題例】
A3用紙に "COLOR" 「カラーの色の問題を出します。」
JSL(生徒)−選択肢1、2、3「今のは何番でしょうか。」
ーASL(生徒が答)ーEーT:JーJSL(先生)ーJSL(生徒)解答
5回繰り返す
カテゴリー;動物、果物、色、乗り物、食べ物
G: ASL(生徒)−選択肢1、2、3 −JSL(生徒が答)
−J−T:E−ASL(先生)−ASL(生徒)解答
5回繰り返す
カテゴリー;家族、食べ物、動物
00:45 プログラム 5:言葉当てゲーム2(2題)
互いに手話で文を表現し当て合う。
解答の選択肢1、2、3を用意する。
H: 【問題例】
A3用紙に"GREETING" 「挨拶の言葉です。」
JSL(生徒)− 選択肢1,2,3 ― ASL(生徒が答)
−E−T:J−JSL(先生)−JSL(生徒)解答
2回繰り返す
G: ASL(生徒)− 選択肢1,2,3 ―JSL(生徒が答)
−J−T:E−ASL(先生)−ASL(生徒)解答
Free Talk
01:05 プログラム 6:アトラクション
H:「第53回神奈川ゆめ国体に出演した鼓隊演技」のビデオか写真
今年10月に国民体育大会が神奈川県で開催され、そのセレモニ ーの中で県下4校のろう学校の生徒が一同に介して鼓隊演技を披露 した様子を紹介
G フラダンス 紹介・説明
01:20 終わりの挨拶
H 生徒JSLーT:E ― ASL
01:25 さようなら H・G 全員
01:30 終了
MC: 平塚:TIJ 赤木、 ハワイ:Nancy
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[生徒アンケートより]
高校 21名 大学 2名 無回答 5名
性別 :男性 12名 女性13名 無回答 3名
今後Teleclass会議があれば参加したい。
はい 21名 いいえ 4名
最も印象に残った箇所は、どこですか。
手話クイズ
自分で英語の手話を使って自己紹介が通じたこと
自由に感想を書いて下さい。
*ハワイのろうの皆に会えてとてもうれしいと思っています。
*手話の違いがよくわかり、今でも英語(ロ−マ字)の手話を少しずつ学びたいと思っています。2名
*ハワイのろう高校生と平塚ろう高等部で実際に会って交流をしたいと思います。2名
*すっごく面白くて楽しかったです。また話したいです。
*テレビ会議があまりよく実感出来ないので感想になる言葉がでない。
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[コメント、まとめ]
NTT 松本さんからのメールより
先日は大変お世話になりまして、誠に有り難うございました。 高木さんがいらっしゃらなかったのは非常に残念でしたが、 赤木さんの素晴らしい司会ぶりや、多くの皆様のご協力で本当に素晴らしい交流になったと感じております。 正直申し上げまして、しらけてしまう場面などもあるのかと思いましたが、それは全くの思い違いでした。
不安と心配が多かったのも本当のところですが、 あの生徒さん方の素直さと積極性が今回の成功につながった のではないかとうれしい気持ちで一杯です。
赤木さんからいろいろお聞きになっておられると思いますが、私自身も収穫の大きな交流でした。NTT社員の反応も非常によかったです。先生方、そして生徒さんに喜んで頂けたことでやってよかったと感じております。
新聞記事などについてですが、現在のところ湘南ジャーナルという、小冊子をつくっている会社が1月1日にのせるという情報を伺っています。そちらは、受け取り次第高木さんへお送り致します。 また、その他の情報がありましたら、お知らせいたします。
今後とも、情報がありましたら、いろいろお教えください。宜しくお願い致します。
TIJ報告より
今回のテレビ会議は共催のNTT平塚法人営業部のたくさんのスタッフがフェニックスミニを使ってセッティング等を全てして下さっていたので、 システムの方の心配はしていなかったのですが、前日のテストで64Kの1Bでしかつながらなかったとの事。通訳をするのに、音声がちゃんと聞き取れるのか少し心配でしたが、当日の朝もう一度テストすると、2B・128Kでちゃんとつながり、無事スタートとなりました。
お互いの校長先生からの挨拶で始まったテレビ会議は、生徒の手話を日本の手話の先生が日本語に、それを英語にしてハワイ側に送り、先生がアメリカの手話にして生徒へという段取りで行われました。
一見、とても複雑そうに感じますが、実際には、ハワイからの英語を日本の先生が直接手話になおして下さったところや、簡単な英語の返事は生徒にも通じていたところもありましたし、原稿のあるところは生徒の手話と同時に通訳を流したりしていました。中にはかなりはっきりしゃべってくれる生徒もおり、先生を通さなくても通訳できる部分もあり、思ったよりもスムーズにいったような気がします。
自己紹介や地域と学校の紹介に続きクラブ活動の紹介が行われましたが、その中では、「学校には野球部がありますか?」、「アメリカ手話では野球はどうやるのですか?」などの生徒の質問に対する、ハワイ側の答えに50名近い見学の生徒たちも注目していました。自己紹介をアメリカ手話でやった生徒もおり、ハワイからは「どうやって勉強したの?」との質問や拍手がおこっていました。
次は言葉あてクイズをしましたが、お互いにカテゴリーを決め、選択肢を英語で書いた紙を見せながら、その中のひとつを手話で表現し、当て合いました。前日の打ち合わせではなかなか当たらないのでは・・・などと心配の声もありましたが、思ったよりお互いよくわかったようで、双方ともに盛り上がっていました。正解を絵で示した後は、「そちらの手話ではどうやるの?」、「由来は?」などの質問が積極的におこり、生徒たちは教えてもらった相手の手話をやってみたりして、楽しんでいるようでした。
アトラクションでは平塚が国体のセレモニーの太鼓演技のビデオを披露したのに対し、ハワイはその場でフラダンスを見せてくれました。「どうやって音なしでフラダンスをできるようになったの?」等の質問も出て、生徒たちは興味を持って見ていました。
会議後の校長先生からは、「生徒もとても楽しんでおり、同じような手話もあり、想像もついたみたいです。遠い国のことがより身近になり、何かあれば、今日会った相手のことを思い出したりして、これを機会に、平和にもつながっていくのでは。最後の本当に会ってみたいという挨拶が子供の本音でしょうね」等のコメントがありました。
生徒・先生の反応は、詳しくはアンケートが集まり次第報告書やHP用にまとめて、またご紹介できることと思いますが、今回の会議では元気がよく、明るい雰囲気の中でお互いが必死で相手の文化・言語を分かり合おうとする様子も伺えましたし、生徒達にとっても、「世界を感じる瞬間」のきっかけとして良い機会であったと思います。生徒もかなり満足してくれていたようです。
今後は1度きりのイベントとしてではなく、テレクラス会議を重ねて、交流を深めていっていただければ、と感じました。
<TIJ 赤木 >
日本のろう学校の生徒と外国のろう学校の生徒との初めてのテレビ会議の試みであった。正直いって、不安と心配の気持ちはぬぐえなかったが、‘やれば出来る! 意志あれば通じる!’を実感したとても貴重な経験であった。ろう生は、日ごろから音のない(または非常に弱い)世界で、健聴者には分からない苦労 をしていると思うが、だからこそ、外国にも同じ仲間がいて、皆明るく頑張っていることを知り、理解を深め合って欲しいと思う。
手話にしても日本語の手話と英語の手話の違いがあり、コミュニケ−ションの困難さは大変ではあるが、知恵を出し合って、今後も可能な交流の方法を追求したい。
・参加した多くの生徒がこれからもテレビ会議をやりたいと回答していることからも、今回の試みに挑戦された双方の先生方に拍手を送り、 TIJ としても積極的に支援して行きたいと思っている。 ご苦労さまでした。
<TIJ 永井>