第27回テレクラス国際テレビ会議

帝塚山学院大学ー北京大学


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[Outline]

行事名 : テレクラス テレビ会議第27回:大阪・北京編

日 時 : 平成9年5月21日(水)

午後 1:20ー2:50(Japan)、0:20ー1:50(Beijing)

場 所 :

帝塚山学院大学 国際理解研究所

KDD北京事務所

主催 :

テレクラス インターナショナル ジャパン

財団法人マルチメデイア振興センタ−

後援

郵政省

国際電信電話株式会社

通信 : ISDNサ−ビスを利用した2地点テレビ会議

参加校 :

帝塚山学院大学 国際文化学科 中国コース専攻生

北京大学 日本語研究中心 日本語専攻生

開催趣旨:

中国の日本語を学んでいる学生と、中国語を学んでいる日本の学生が中国語・日本語を使って率直に話し合い、日中国交25年を経た同じアジアの仲間として交流を深める。 テレクラス1997年度の基本テーマ「地域社会を結ぶテレクラス」に沿い、本会議では「私たちの地域社会(大阪・北京)の紹介」を中心に進める。事前に交換する互いの地域情報を基に、社会とどのように関わり合っているかを話し合い、21世紀の高度情報化社会を担う彼らの連帯感と国際理解を深めたい。北京へ延ばされたKDD国際ISDN回線を利用して催される、教育の場での初めてのテレビ会議である。

プログラム

0:00 双方の先生と参加代表挨拶

0:02 愉快な自己紹介

0:12 トピック 1

「 北京のイメージ」

その紹介と大阪からの質問・解答

0:22 トピック 2

「 大阪のイメージ」

その紹介と北京からの質問・解答

0:32 トピック 3

「北京の特別な場所」「大阪の特別な場所」

説明と質問

0:42 トピック 4

「北京の特別な人 」「大阪の特別な人」

説明と質問・解答

0:52 音楽交換と時間調整

1:00 自由な会話タイム

1:20 次回に取り上げたいテーマとその共同研究の進め方

1:25 両担当先生による会話

1:28 全員さよなら挨拶

1:30 終了

参加者: 北京:6名

日本:14名 帝塚山学院大学 国際文化学科 4回生

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 大阪ー北京 テレビ会議 アンケート

帝塚山学院大学生 7名

テレビ会議中に一番印象深かったことは?

・日本の歌を歌ってくれたこと。・・2

・北京側の最初の言葉。・・2 (抗日戦争について言われた時は、不穏な幕明けだと思ったが、そうでもなかったので安心した。)

・上海の人も北京の人も似たようなもんだと言った時の強い否定の態度。

・声の時間的ズレはあったものの、大阪ー北京で映像と声をリアルタイムで感じれたこと。

・私達の発表を熱心に聞いてくれた。

  リアルタイムの会議を通して、特にアジアの一員として理解が

深まりましたか。また、双方の学生の印象はいかがでしたか?

理解度:・理解というよりは、意志疎通ができた印象が大きい。

・日本にどういった印象を持っているのか、よくわかった。

・ちょっと深まった。

・学生は学生同士

・普通

・もっと理解していきたいという気持ちが起ってきた。まだまだ理解は出来ていないと思う。

・アジアの一員ということについての意見交換はなかったので、理解は深まっていない。

相手の印象:

・もっと堅苦しくなるかと思ったが、思っていたイメージと全然違った陽気・気さくな人達。明るく楽しい。・・5

・とても積極的で自分の意見をちゃんと持っている。

・勉強熱心

・よく日本の事を知っているが、もう少し良い面を見て欲しい。

  中国語や日本語を学んでいる理由はいろいろあると思いますが、卒業後身に付けた語学をどのように社会に生かしたいと思いますか。

・自分の趣味・・3(旅行などで中国に一人でいけるぐらいの趣味にしたい)

・中国語だけでは、就職における武器にならない。英語あってこその第3 ヶ国語。 生かしたいとは思うが、よほどの専門職でない限り、生かせない。趣味や特技になる。・・2

・ボランティアで生かしていけたらと思う。

・自分自身のやりたい事(仕事とか)のために生かす。

・できれば、中国と日本の関係のある職場で働きたい。・・2

・自分自身で中国とのつながりを保っていき、友達を増やしていきたい。

テレビ会議の感想や情報通信社会について裏面に自由に書いてください。

・情報通信社会というと、未来という感じがあるけれど、今回のテレビ会議で、現実になっていると実感できた。今は音とか文字、映像をリアルタイムで得れるのかと、おどろきと感動をおぼえた。

・初めの自己紹介で、にこやかに聞いて下さったので緊張がとれてとてもリラックスできて楽しかったです。機会があれば、また参加してみたいと思います。

・テレビ会議が各大学や小学校などの団体だけでなく、各家庭に普及するには、何年かかりますか。

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帝塚山学院大学と北京大学で総合デジタル通信による

日本最初(教育)の「テレビ会議」が開かれる

帝塚山学院大学国際理解研究所 米田 伸次 所長

総合デジタル通信網(ISDN)を使っての日本と中国の教育分野では最初の「テレビ会議」が5月21日、帝塚山学院大学で行われた。

この「テレビ会議」は、主催のテレクラス・インターナショナル・ジャパンと財団法人マルチメディア振興センター(後援、郵政省、KDD)に帝塚山学院大学国際理解研究所と北京大学日本研究センターが協力して実施されたものだある。このISDNを使っての「テレビ会議」は昨年より計画されていたが、中国側の回線が不安定なため会議寸前で何度か中止、このたびも直前まで危ぶまれたが、関係者の並々ならぬ努力の結果、日中最初の「テレビ会議」の成功をみたものである。

  今回の「日中テレビ会議」の趣旨は、日本で中国語を学んでいる学生と中国で日本語を学んでいる学生が、それぞれ外国語を用いて率直に意見を交換し合い、日中国交正常化25年を経た同じアジアの仲間として交流を深め合おうというもので、第一回「テレビ会議」のテーマは「わがまち(大阪、北京)の紹介」であった。帝塚山学院大学側からは、国際文化学科中国文化コースの杉本ゼミ、下定ゼミ、彭ゼミから選抜された13名が、北京大学側からは東方学部日本語科学生5名と日本研究センター大学院学生2名の計7名が参加した。

今回の「テレビ会議」のコーディネートは、帝塚山学院大学側では杉本雅子国際文化学科助教授(研究所兼任)と米田伸次国際理解研究所所長が、また、北京大学側では、李玉日本研究センター教授によって行われたが、当日の会議は、杉本助教授の絶妙な総合司会によって進められ、予定の1時間半をオーバーする実りの多い会議となった。

会議はまず双方のユニークな自己紹介と自校の紹介で始まった。北京大学側からは、北京大学が来年100周年を迎える古い大学であること、図書館は蔵書が500万冊を誇りアジアNo,1であるなどのPRのあと、北京の四季、とりわけ秋の美しさや北京ダック料理の美味しこと、京劇のすばらしさなど自慢を交えた”わがまち北京”の説明があった。また、帝塚山学院大学側からも、関西空港や大阪城、海遊館、たこやきを食べながらの道頓堀界隈、阪神タイガースのはっぴを着てメガホンを手にしながらの野球応援風景など、学生たちが足で取材した写真とユーモアあふれる語りぐちで中国学生達の爆笑をさそい、彼らの大阪への興味をそそった。

討論では、中国側からの「東京をどう思うか」との質問から、「大阪からみた東京」「北京から見た上海」についてひとしきり話しがはずんだ。また、中国側から、「いま北京では 『 東京恋物語』 が人気をえているが、映画での日本と人物を現実の日本、日本人として理解してよいのだろうかなどなどの質問も出された。中国の若者たちには、SMAPやチャゲ&飛鳥らの歌手や日本のテレビドラマなど現在の若者文化にも関心が深く、国境をこえた若者どうしの共通話題にひとしきり話しにはなが咲いた。続いて「日本の大学生は余暇をどう使っているか。」との質問に、「アルバイトとデート」という日本の学生の回答には北京大学生たちは理解に苦しむといった顔つきで、「自分たちは本を読むことを第一にあげる。もっと余暇を大切に」といった助言も出されるという一幕もあった。

1時間半という会議の時間がきわめて短く感じられたのは、この会議が音声だけでなく画像によっつてその訴える力が大きかったこと、北京大学生の見事な日本語と帝塚山学院大学生の明瞭な中国語、そして彼らの若さという共通性によるすばらしい対話が国境を越えたシナリオのないドラマへと発展していったからであろう。北京大学生は来年100年記念を迎えるという。最後に北京大生たちは、 「まだまだ日中間には偏見がある。これを機会に、21世紀の友好を私たちの手で・・・」「是非、再度100年を記念したテレビ会議を」と提案、また「100周年祭に北京大学へも」と招待の声も聞かれた。今回の「テレビ会議」は第1回にしては予想を超えるきわめて収穫の多い会議だったといってよいだろう。この会議をきっかけとして、双方に芽生えた若者たちの友情がこれからも豊かに育まれ、やがてアジアの他の国々の学生をも加えたネットができることを心から願いたいし、是非実現させたいと考えている。なお、この「テレビ会議」は朝日新聞でも報道され、反響をよんだ。

最後になったが、今回の「テレビ会議」に、困難な状況の中で私たちのアプローチに前向きに対応して下さった北京大学日本研究センターの李玉教授、最初から最後までハード面・ソフト面で支えて下さったテレクラス・インターナショナル・ジャパンの高木洋子代表、ハード面でのセッテイングに快くご協力下さった帝塚山学院大学AVセンター森石峰一課長補佐に心からの御礼を申し上げたい。

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[実施報告まとめ]

5月21日北京ー大阪間で初の教育レベルでのテレビ会議を無事終了することができた。昨年から計画されていたものであるが、回線の問題などで中止に終わってきていた。今回何度も念入りなテストが行われ、やっと開催に至ることとなった。当日まで本当につながるかどうか心配する中でのスタートとなったが、途中で映像トラブルがあったとは言え、成功に終わることができた。

北京側の「中日関係・世界の未来をつくるために、21世紀の担い手である私達は理解を深めなければならない」という挨拶に始り、帝塚山学院大学国際文化学科の学生の流暢な中国語、北京の学生の流暢な日本語、先生方の指導・指揮により、会議はスムーズに進んでいった。笑いの何度もおこる自己紹介、写真や音声等を用いた地域の紹介、北京からの日本語による質問と帝塚山からの中国語でのリプライ、相手国の歌を歌い合ったり、習慣の違いや流行、日常生活についての質問など、話しは尽きず、会議は当初予定されていた1時間半をはるかに越えるものとなった。 中国・日本について勉強している者同士の会議ではあったが、いつもとは違った角度からお互いについての理解を深めるものとなったと思われる。この会議がスムーズに行われた背景には、会議前のFAXなどによる交流、プレゼンテーションの準備、そして日頃からの時間をかけた語学学習があげられる。

今回も事前・事後にアンケートを行った。学生たちは、中国に興味を持ち、一般的な知識は持っていたが、両国の友好と理解を深め、自分たちの知り得ない北京を知ることを期待して会議に臨んでいた。実際に会議を終え、意志疎通ができ、理解を深め、さらに理解していきたいと感じるに至ったようだ。また、中国側から出た抗日戦争について聞き、中国についてもっと勉強しようと思ったり、日本についての印象を知り、もっと日本の良い面をも伝えたいとも感じていた。中国人が積極的で自分の意見をちゃんと持っていることを、交流を通して知り、もっと自分で意志表示ができるようになりたいと感じるなど、多くのことを考える機会ともなった。さらに、遠い中国の音と映像をリアルタイムで感じれたことに驚きと感動を覚え、また参加したい等全体に良い印象をもっている。

今後の課題としてはお互いもっと自由に意思を通わせるようになること、相手国と自国についての知識をもっと得ておくことなどがあげられるが、そのためには会議の事前・事後に電子メールでの交流がスムーズに行えるような環境が整えられることが望ましい。そして、学生たちの希望どおり、このような交流は一日きりのイベントで終わらせたくない。

(TIJ 赤木 恭子 記)

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